昨今「eSport」という単語をよく耳にする機会が増えた。
以前まではゲーマー間でしか聞くことのなかった言葉。しかし今や一般世間にも少しずつではあるが、この「eSport」というものが周知されているように感じる。
今や一つのスポーツとして注目を集める「eSport」。
今回はそんな「eSport」の大会を通して感じたことを簡単だが綴っていこうと思う。
まずは「eSport」というものから語るべきなのだろうが、今回は割愛させてもらいたい。
では何について書いていくのか?
今回ここで書きたいことは
「eSportから見えたレースゲームとレースシムの違い」
についてだ。
よく「レースゲームとレースシムの違いって何?」と問われる時がある。
その場合大抵は「挙動の違い」について話すと思う。恐らく私もそのように答えるだろう。
レースゲームと比べてもハンドルから伝わる情報量が全然違うし、そもそもの車の動きが違ったりするから挙動に言及する人は多いのではないだろうか。
実際それは間違いではない。しかし正解とも言い切れない。
確かに車の挙動を作っていく中で膨大なデータを実車から拾い、多くの時間をかけてシミュレータ内に実装しているから理論的に行けばリアルな挙動で間違いない。
しかしながら大体のプレイヤーはレーシングカーに実際に乗った経験があるわけではないし、下手をすれば車を運転した時のない人もいるので「リアルな挙動だ」と言ってもそれが正しいかどうかは正確にはわからないのである。
では他に明確に違うものは何があるだろうか。
そこで私が注目したのは「プレイヤー間の意識の差」だ。
地方での大会予選と賞金が掛かった大会という違いはあるが、この「意識の差」というものは大きく出ているのではないだろうかと私は思う。
「意識」と一言に言ってもその持ち方は人様々だが、これをいつもやっている「ゲーム」としてとらえるのか「スポーツ」としてとらえるのか。この意識で「レースゲーム」と「レースシム」というのが決まるのではないだろうか。
初めて参加した地方の大会では三つの県の参加者が参戦する大会だったのだが、ここでは参加者の意識は「ゲーム」よりだったと思う。というのもレース中のプレイヤー間のリスペクトというものが足りないような動きが目立ってしまっていたと思う。どう見ても無理な突っ込みを行っていたり、相手分のスペースを残さない動きをよく見た。
ゲーム側でそういう動きに対してペナルティを設けているが、それもお構いなく危険な動きをしてしまうプレイヤーが多かったように感じる。
一応レース前にブリーフィングが行われていて危険な動きをしないように言われている。しかしながらそれを守れないプレイヤーがいたというのは残念だった。
一方今回参加した大会では前回参加した大会に比べ参加者は少なかったが、普段から高い意識を持ってレースをしているプレイヤーが多かったため、危険な動きは全く見られなかったしレベルの高いバトルが見られたのが印象に残っている。
そして驚くべきは前回のようにブリーフィングで事細かく危険な行為について話されたわけではなく、いつも通りに走ってくださいという風に言われただけなのだ。プレイヤー達はそれに従って走っただけなのに「意識」一つでここまで大きな差になるとは思いもしなかった。
このように「互いをリスペクト出来ているか、いないか」というのは「スポーツ」ではとても大事なことだし、ゲーム大会のことを「eSport」だと主張していくためにはプレイヤー一人一人が常に「スポーツマンシップ」を意識し、高め合っていく。そんな心がけを一人でも多くのプレイヤーが持つことが出来れば、世間から「eSportはただのゲームではなく、ちゃんとしたスポーツだ」と思ってもらえるのではないだろうか。
著・しーなありさ
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